福島安正は先述の清国偵察旅行ののち北京公使館付武官を拝命し、約2年間北京に留まった。日本に戻った福島は、次に英国のインド支配の状況を調べるべくビルマ〜インドの偵察旅行を計画する。

明治19年3月15日福島は横浜港を出発し、ラングーン〜マンダレー〜カルカッタ〜シムラ〜マドラス〜セイロン島と約半年間かけて滞在。英国のインド統治の方針やインド軍の軍備調査を行った。

福島のインド偵察報告としては「印度紀行」と「印度形勢摘要」があり、「印度紀行」は陸軍文庫より刊行された。しかし「印度形勢摘要」に関しては、永らく参謀本部に保管されていたが焼失したものとされてきたようである(島貫重節「福島安正と単騎シベリヤ横断」p109)。

本書はその「印度形勢摘要」の上巻で、杉山直矢の旧蔵品。参謀本部の原稿用紙に肉筆で書かれた稿本で、表には「機密」と記載されている。

内容については、緒言に「印度陸軍ノ改正委員ヨリ團隊官廨等ノ将領隊長及ビ主任ニ下問シ其意見ヲ聚録シテ数大部ト為シ改正ノ参考トセシ書籍中ニ就て抜粋セシモノナリ」とある通り、将校に対しインド陸軍または英国軍の編成、進軍した場合に必要な事項を質問しその返答をまとめた資料を翻訳したもの。

印度形勢摘要 上巻

¥216,000

福島安正 明治19年 59丁

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