龍烟鉄鉱株式会社資料

 龍烟鉄鉱株式会社は成紀734年(1939年)に蒙古聯合自治政府と北支那開発株式会社の出資により設立。鉱山は宣化県(現在の張家口市)に位置し、烟筒山・龐家堡の2つの鉱区を中心に鉄鉱石を産出した。

 本資料は、労働科学研究所(以下、労研)が調査を行った龍烟鉄鉱の労務管理に関する調査を中心としたもので、大きめのダンボール一箱分の分量。労研は昭和15年に龍烟鉄鋼より委嘱され分室を設置、調査活動を行った。労研の活動は鉱夫の労働状況から近隣農村の調査に及び、後に藤本武「支那鉱夫の生活」「把頭炊事の研究」としてまとめられた。明記はないが、本資料はその一次データであると考えられる。

 資料は鉱夫の人員配置・賃銀・労働時間・稼働率・勤続状態等の統計、鉱夫の名簿及び年齢・出身地・前職に関する調査、使用用具や労災、食事及び食糧の保存に関する調査、鉱山近郊の農村の戸別調査や面談記録、出鉱量データ、「龍烟労務時報」「労働科学研究所龍烟分室調査報告」など刊行物、青焼き図面、会議資料や各種計画案など社内文書、満州の炭鉱等における労務管理概要、物価年報など、数百点に及ぶ(リストあり。ご請求ください)。

 約半数は手書きの生データであり、唯一無二の史料と言ってよい。日中戦争下における中国人労働者管理の一端を示す重要かつ貴重な史料である。

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